インバータ装置の駆動回路事件
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H13.9.27 東京高裁 平成12年(行ケ)207
判決のポイント
外国の修士論文に記載された事項が,「頒布された刊行物に記載された」ものと認められて発明の進歩性が否定された。
参照条文
特許法29条2項
Key Word
「頒布された刊行物に記載された」の意義,修士論文
フレキシブル配線基板及び電子部品事件
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H13.3.13 東京高裁 平成11年(行ケ)203
判決のポイント
製造手順に特徴のある物の発明が,その製造手順の優位性を考慮されずに発明の進歩性が否定された。
参照条文
特許法29条2項
Key Word
製造手順に特徴のある物の発明,プロダクト・バイ・プロセスクレーム,発明の進歩性
無線呼出用受信機事件
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H10.10.27 東京高裁 平成9年(行ケ)198
判決のポイント
明細書に記載されておらず,審決取消訴訟において初めて主張された効果は,進歩性の判断において参酌すべきでないとされた。
参照条文
特許法29条2項
Key Word
引用発明と比較した有利な効果,意見書等で主張された効果の参酌
アルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質事件
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H14.2.7 東京高裁 平成12年(行ケ)120
判決のポイント
物発明の製造方法が引用例の製造方法と区別できる程度に詳細に記載されていない等のために発明の詳細な説明の記載が実施可能要件を満足しないとした。
参照条文
特許法36条4項 特許法113条1項4号
Key Word
実施可能要件,明細書の記載要件
熱可塑性樹脂球状粒子の製造法事件
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H13.9.11 東京高裁 平成11年(行ケ)295
判決のポイント
パラメータによる特定を含む請求項の場合に,明細書の記載が不十分であり実施可能要件違反になると判断した。
参照条文
旧特許法36条4項 特許法123条1項4号
Key Word
実施可能要件,機能・特性等による特定,パラメータ
外部から誘導し得るプロモーター配列を用いた小胞子形成の制御事件
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H13.5.17 東京高裁 平成10年(行ケ)28
判決のポイント
クレーム中に記載された複数の工程がそれぞれ発明の詳細な説明中において当業者が容易に実施することができる程度に記載されていない場合は,特許法第36条第4項に違反する。
参照条文
特許法36条4項
Key Word
バイオ関連発明,方法に係る発明,実施可能要件
中通し釣竿事件
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H13.12.27 東京高裁 平成12年(行ケ)396
判決のポイント
分割要件の判断にあたって,原出願明細書等の実施例に記載された個々の構成が無条件に考案の構成となりうるものではないということが示された。
参照条文
特許法44条1項 特許法126条4項 実用新案法3条2項
Key Word
願書に添付した明細書又は図面に記載した事項,新規事項追加の禁止,直接かつ一義的,分割要件,独立実用新案登録可能要件
ズボン等のウエスト伸縮構造事件
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H12.11.20 東京高裁 平成11年(行ケ)349
判決のポイント
特許請求の範囲の減縮後の発明の目的・効果が,発明の目的や効果として明細書に具体的に記載されていない場合に,減縮前の発明の「具体的な目的の範囲」を逸脱することにはならないと判断した。
参照条文
特許法126条項ただし書1号
Key Word
特許請求の範囲の減縮,実質上特許請求の範囲を変更,構成要件の付加,具体的な目的の範囲
バッテリによる給電回路事件
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H14.2.19 東京高裁 平成10年(行ケ)298
判決のポイント
上位概念のクレームを,実施例に記載された下位概念よりも広い中位概念のクレームへ訂正することが認められた。
参照条文
準特許法126条2項
Key Word
願書に添付した明細書又は図面に記載した事項,新規事項追加の禁止,直接かつ一義的
すべり軸受け事件
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H14.1.31 東京高裁 平成13年(行ケ)146
判決のポイント
原告及び被告間における覚書に,直接の記載はなくとも明らかに不起訴の合意が存在するとして,両者間の無効審判の無効審決に対する取消訴訟が門前払いされた。
参照条文
民事訴訟法133条 特許法178条
Key Word
不起訴の合意,覚書内容の解釈
側溝構造事件
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H14.6.27 東京高裁 平成13年(行ケ)421
判決のポイント
無効審決取消訴訟の係属中に請求項の全部が訂正によって削除されたときは,当該訴訟は訴えの利益を欠く不適法なものであるとして却下された。
参照条文
実用新案法14条の2 実用新案法47条 行訴法7条,民事訴訟法61条
Key Word
無効審決取消訴訟,実用新案登録の訂正,請求項の全部が削除,訴えの利益
照明反射鏡事件
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H13. 5.23 東京高裁 平成12年(行ケ)406
判決のポイント
類否判断は,基本的形態の認定,具体的形態のうち共通点の評価,具体的形態のうち相違点の評価,相違点の全体における総合評価という手順を追って行われる。
参照条文
意匠法3条1項3号
Key Word
基本的形態,一般的形態,具体的形態,共通点の評価,相違点の評価
地模様(型押し柄)事件
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H12.8.10 東京高裁 平成11年(行ケ)80
判決のポイント
本願商標は単に商品の品質(型押し柄)を表示するにすぎないとしたが,使用による顕著性があるとして商標法第3条第2項の適用を認めた。
参照条文
商標法3条1項3号 商標法3条2項
Key Word
自他商品識別力,商標の使用,使用による顕著性
T-Mobile事件
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H13.9.18 東京高裁 平成13年(行ケ)68
判決のポイント
商標「T-Mobile」は,これをモバイル機器に用いても,自他商品識別機能を果たさない。
参照条文
商標法3条1項6号
Key Word
商標の一体性,ハイフン記号
特許出願手続補正書に係る手続却下処分取消等請求事件
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H14.5.22 東京地裁 平成13年(行ウ)284
判決のポイント
先の出願が特許法第30条第1項の適用を受ける出願であっても,後の出願において特許法第30条第4項の手続を怠った場合には,不備を解消する補正は不適法である。
参照条文
特許法41条 特許法30条4項 特許法18条の2
Key Word
国内優先権主張と特許法第30条第4項の手続,手続補正書
行政不服審査法による異議申立却下決定取消請求事件
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H13.12.10 東京地裁 平成13年(行ウ)87
判決のポイント
登録料の不納付によりすでに実用新案権が消滅しているので,登録料納付手続の却下処分の取消しを求める利益がないとされ,訴えが却下された。
参照条文
行政不服審査法45条 行政不服審査法48条 行政不服審査法14条3項
Key Word
登録料の納付,納付書補充指令書,オンラインシステムのソフトのトラブル
特許料納付手続却下処分の無効確認事件
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H14.6.27 東京地裁 平成13年(行ウ)285
判決のポイント
特許法112条の2第1項の不責事由には,代理人の納付期限管理ミスは含まれないとして,納付手続却下処分の無効確認請求を棄却した。
参照条文
特許法112条の2 1項
Key Word
特許料の納付,納付手続の却下,責めに帰することができない理由
養殖貝類の耳吊り装置事件
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H11.12.21 東京地裁 平成10年(ワ)8345
判決のポイント
分割要件として原出願の補正できる範囲内であることを要求し,分割は,原出願当初明細書の開示範囲内でされるべきことを明確化した。
参照条文
特許法70条 特許法44条2項 特許法17条2項
Key Word
分割要件,補正,補正の制限,出願日の遡及
レンズ付きフィルムユニット事件
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H12.8.31 東京地裁 平成8年(ワ)16782
判決のポイント
使用後のレンズ付きフィルムユニットにフィルムを入れ替えたものの実施行為に対する差止め等の請求について,消尽の抗弁が否認された。
参照条文
特許法68条 特許法70条
Key Word
消尽
単クローン性CEA抗体3事件
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H2.9.29 東京地裁 平成11年(ワ)8435
判決のポイント
プロダクト・バイ・プロセス・クレームに係る特許発明は,原則として当該プロセスに限定して解釈されるものではないが,限定して解釈すべき事情が存する場合には,当該プロセスに限定される場合があり得る。
参照条文
特許法2条1項1号 特許法2条1項2号 特許法36条 特許法68条 特許法70条
Key Word
プロダクト・バイ・プロセス・クレーム,技術的範囲
支持真柱建込み事件
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H10.10.30 東京地裁 平成6年(ワ)4419
判決のポイント
明細書中で従来の技術として否定した発明,及び中間手続で異なると主張した発明に関しては,均等判断で特段の事情がある。
参照条文
特許法70条
Key Word
均等,特段の事情,明細書中で従来の技術として否定した発明,中間手続で異なると主張した発明
三脚脚立事件
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H13.11.28 東京高裁 平成13年(ネ)2630
判決のポイント
均等論における自由技術の水準と権利乱用論に言及した。
参照条文
実用新案法27条 実用新案法29条
Key Word
自由技術の抗弁,包袋禁反言の原則(ファイル・ラッパー・エストペル),権利濫用
キルビー特許事件
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H12.4.11 最高裁 平成10年(オ)364
判決のポイント
分割出願が不適法であり,出願日の遡及効果を得られないので明らかな無効理由が存在し,無効審決前であっても,これに基づく主張は権利の濫用であるとされた。
参照条文
旧特許法(昭和34年法)9条1項 特許法29条2項 特許法39条1項
Key Word
分割出願,原発明,実質同一,進歩性,無効理由,権利濫用
芳香族カーボネート類の連続的製造法事件
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H13. 3.22 東京高裁 平成12年(ネ)2720
判決のポイント
本件特許出願日前の,先発明の採用可能性調査,技術導入契約,基本設計等の一連の過程から「事業の準備」があったとして先使用の抗弁が認められた。
参照条文
特許法79条
Key Word
先使用権,採用可能性調査,技術導入契約
製パン器事件
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H12.10.24 大阪地裁 平成8年(ワ)12109
判決のポイント
特許発明を実行しない機能に切り替え可能な構造を有する物について、「その発明の実施にのみ使用する物」であると認定して間接侵害を認めた。
参照条文
特許法101条2号
Key Word
間接侵害,「のみ」の要件
記録紙事件
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H13.7.17 東京地裁 平成11年(ワ)23013
判決のポイント
改正された特許法102条1項に関し,本条項の趣旨,各要件の意義・適用に関し,初めて詳細に判示した判決である。
参照条文
特許法102条1項
Key Word
侵害の行為がなければ販売することができた物,実施の能力,単位数量当たりの利益の額,販売することができないとする事情,侵害行為を組成した物を譲渡したとき
おかずを挟んだごはん事件
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H12.4.25 東京地裁 平成11年(ワ)24434
判決のポイント
実用新案技術評価書を提示した警告をしない場合には,実用新案権に基づく損害賠償請求は認められないとして,その請求が棄却された。
参照条文
実用新案法29条の2
Key Word
実用新案技術評価書を提示した警告
ゴム紐事件
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H9.4.25 東京地裁 平成5年(ワ)17437
判決のポイント
登録意匠の権利範囲には,当該登録意匠との関係での公知意匠及び公知意匠に類似する意匠は含まれない。
参照条文
意匠法23条 意匠法24条
Key Word
登録意匠の範囲,公知意匠
Always Coca-Cola事件
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H10.7.22 東京地裁 平成9年(ワ)10409
判決のポイント
キャッチフレーズ「Always Coca-Cola」の使用は、登録商標「オールウエイ」に係る商標権を侵害しない。
参照条文
商標法2条3項 商標法37条
Key Word
キャッチフレーズ,商標的使用態様,著名商標
ESPRIT事件
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H13.1.31 東京高裁 平成12年(行ケ)105
判決のポイント
商品の小売は,独立の役務ではなく,わが国商標法上の「役務」としては認められない。
参照条文
商標法6条1項
Key Word
小売業,小売業における役務の独立性
JamJam事件
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H13.11.9 名古屋地裁 平成12年(ワ)366
判決のポイント
不使用登録商標の商標権に基づく損害賠償請求等において,損害の発生がないとして,商標法38条2項及び商標法38条3項を適用せず,損害賠償等を認めなかった。
参照条文
商標法38条2項 商標法38条3項 商標法2条3項3号
Key Word
損害の発生,損害額の推定,使用料相当額,インターネット,広告,求人情報の提供
ポップ書体事件
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H12.1.17 東京地裁 平成9年(ワ)7268
判決のポイント
デザイン書体の形態が,不正競争防止法2条1項1号の周知な商品等表示に該当しないとされた事件。
参照条文
不正競争防止法2条1項1号
Key Word
ポップ文字,デザイン書体,タイプフェイス,商品等表示
ピアス事件
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H9.3.7 東京地裁 平成6年(ワ)22885
判決のポイント
原告商品の基本的形態は,商品の機能及び効用を奏するために不可避的な形態であり,不正競争防止法2条1項3号の「同種の商品が通常有する形態」である。
参照条文
不正競争防止法2条1項3号
Key Word
同種商品が通常有する形態,模倣,商品形態
支持真柱建込み事件
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H12.2.29 東京高裁 平成10年(ネ)5220
判決のポイント
特許権利者装置の解体等を見積書作成のために行っていても,許諾なく未開示の営業秘密に係る情報を使用していなければ不法行為にはあたらない。
参照条文
民法719条 不正競争防止法2条1項7号
Key Word
共同不法行為,営業秘密
カラオケ装置リース事件
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H13.3.3 最高裁 平成12年(受)222
判決のポイント
カラオケ装置のリース業者はリース契約の相手方が著作権者との間で使用許諾契約の締結等をしたことを確認した上でカラオケ装置を引き渡すべきである。
参照条文
著作権法22条 著作権法22条の2 民法709条 民法719条
Key Word
音楽の著作物,カラオケ,リース,使用許諾,注意義務
キャンディキャンディ事件
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H13.10.25 最高裁 平成12(受)798
判決のポイント
漫画の原作者の権利が,二次著作物である漫画の主人公を描いた原画の作成,複製又は頒布にまで及ぶことが,認められた。
参照条文
著作権法28条 著作権法65条
Key Word
二次的著作物,原著作物,漫画の著作物,キャラクター,ストーリー
光ピックアップ事件
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H13.5.22 東京高裁 平成11年(ネ)3208
判決のポイント
職務発明について使用者等は相当の対価の額を勤務規則等によって一方的に定めることはできないとされた。
参照条文
特許法35条3項 特許法35条4項
Key Word
職務発明,相当の対価
キメラモノクローナル抗体の製造方法事件
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H12.3.8 東京高裁 平成10年(行ケ)359
判決のポイント
刊行物の頒布時における技術常識を参酌することにより当業者が容易に実施できる程度に具体的な開示がされた完成した発明であるとして,刊行物に記載された発明が進歩性判断における引用発明として認定された。
参照条文
特許法29条2項
Key Word
未完成発明,技術常識の参酌
競争ゲーム装置事件
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H13.6.28 東京高裁 平成12年(行ケ)151
判決のポイント
明細書中に実施例の一つとして記載されているからといって,請求項中に明確に記載されていない限定事項について,限定して請求項を解釈することはできない。
参照条文
特許法29条2項 特許法134条2項 特許法36条 特許法70条1項
Key Word
特許請求の範囲の文言解釈,公知技術の寄せ集め,訂正請求,独立特許要件
即席冷凍麺用穀粉事件
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H13.5.14 東京高裁 平成10年(行ケ)401
判決のポイント
引用例の用途発明は未完成であって後願排除効を有しないことを理由に拒絶審決が取り消された。
参照条文
特許法29条の2 1項
Key Word
発明未完成,後願排除効,引用例の追試,用途発明
液晶表示素子事件
事件の表示
H13.2.28 東京高裁 平成11年(行ケ)335
判決のポイント
所定の複屈折率を有する2軸延伸フィルムの製法が,本件出願前に公開等された公報の記載から周知又は自明の事項と認められた。
参照条文
特許法36条4項
Key Word
当業者が容易に実施できる程度に記載,実施可能要件,出願当時周知又は自明事項,技術常識
T-細胞抗原レセプターサブユニット・ペプチド事件
事件の表示
H12.2.22 東京高裁 平成10年(行ケ)95
判決のポイント
クレーム中に包含される化学物質(ペプチド)等が多数ある場合に,旧特許法第36条第3項の実施可能要件を満たすための要件を明確化した。
参照条文
旧特許法36条3項(現特許法36条4項)
Key Word
化学,バイオ関連発明,実施可能要件
印刷機のブランケットシリンダ洗浄装置事件
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H11.10.20 東京高裁 平成10年(行ケ)34
判決のポイント
平成6年以前の原特許出願中の機能の記載に基づき,特許請求の範囲にて機能+手段と定義した分割出願が適法とされた。
参照条文
特許法44条1項 特許法29条2項 特許法123条1項1号
Key Word
分割出願の要件,原明細書の開示,ミーンズ・プラス・ファンクション
定着装置事件
事件の表示
H13.9.19 東京高裁 平成13年(行ケ)180
判決のポイント
特許異議申立てに対する訂正後に、申立てがされた請求項に形式的に該当しても内容的に申立てがされていない請求項を審査することは,職権審理の制限違反であると認められた。
参照条文
特許法120条2項 特許法120条の4
Key Word
特許請求の範囲の減縮,特許異議申立てがされていない請求項
インク容器事件
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H13.2.14 東京高裁 平成12年(行ケ)128
判決のポイント
クレーム中の「もしくは」を「および」にする訂正が特許請求の範囲の減縮に該当し,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではないとして認められた。
参照条文
特許法120条の4 2項 準特許法126条3項
Key Word
特許請求の範囲の減縮,実質上特許請求の範囲の拡張又は変更
ディスク事件
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H12.10.24 東京高裁 平成11年(行ケ)165
判決のポイント
特許異議申立に対抗して訂正請求書を提出し,訂正拒絶に対抗して手続補正書を提出したところ,その手続補正は,訂正請求における趣旨を変更し不適法であるとして却下された。
参照条文
準特許法131条2項 特許法29条2項
Key Word
訂正請求書の補正,訂正請求書の要旨の変更
パチンコ装置事件
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H14.3.25 最高裁 平成13年(行ヒ)154
判決のポイント
共有に係る特許権についての取消決定の取消を求める訴えは,共有者全員で提起することを要する固有必要的共同訴訟であるとした高裁判決を破棄して,本件を東京高裁に差し戻した。
参照条文
特許法178条2項 民法252条ただし書
Key Word
共有,取消決定,固有必要的共同訴訟,類似必要的共同訴訟,保存行為
ギター事件
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H13.11.13 東京高裁 平成13年(行ケ)275
判決のポイント
類否判断において,共通点が,たとえ物品が有する一般的な形態であっても,これを除外したうえで相違点を強調する主張は認められない。
参照条文
意匠法3条1項3号
Key Word
一般的な形態,全体評価
ビッグサクセス FUKIYA DART ガイドブック事件
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H12.4.27 東京高裁 平成11年(行ケ)183
判決のポイント
新たに提出された使用証拠に基づき,それが商標法上の商品に該当し,商標の使用にも該当するとして,商標登録を取り消した審決を,取り消した。
参照条文
商標法50条1項 商標法2条3項1号 商標法2条1項1号
Key Word
商標法上の商品,商標の使用,セットとして販売される商品,著作物の題号
ヤクルト容器事件
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H13.7.17 東京高裁 平成12年(行ケ)474
判決のポイント
乳酸菌飲料容器の立体的形状が,その特徴は容器としての機能を果たすためのものにすぎないと認定され,商標登録要件(顕著性)を具備しないとされた。また,使用による顕著性の後発的取得も否認された。
参照条文
商標法3条1項3号 商標法3条2項
Key Word
立体商標,包装容器の立体的形状,顕著性,使用による顕著性の取得
角瓶事件
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H14.1.30 東京高裁 平成13年(行ケ)265
判決のポイント
商標法第3条第2項における使用商標と出願商標との関係において,本願商標「角瓶」と原告の著名なハウスマークが連続して表されている使用形態であっても,本願商標「角瓶」が使用されていると認定された。
参照条文
商標法3条2項
Key Word
使用商標と出願商標との同一性
出願審査請求却下処分取消請求事件
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H14.3.26 東京地裁 平成13年(行ウ)274
判決のポイント
国内優先権の主張を伴う国際特許出願について優先日から1年3ヶ月経過後にわが国の指定を取り下げたときは,先の出願はみなし取下げとなる。
参照条文
特許法42条1項 特許法180条の15 1項 特許協力条約8条(2)(b)
Key Word
国際特許出願,日本国の指定の取下げ,先の出願のみなし取下げ
特許料納付手続却下処分取消請求事件
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H14.4.24 東京地裁 平成13年(行ウ)385
判決のポイント
代理人が特許料納付期限を誤認したことは,特112条の2第1項の不責事由には該当しない。
参照条文
特許法108条2項 特許法112条の2
Key Word
特許料の納付期限,その責めに帰することができない理由
照明装置付歯鏡事件
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H11.12.24 東京地裁 平成11年(行ウ)216
判決のポイント
実用新案技術評価は,行政事件訴訟法3条2項の行政処分には当たらないとされ,その取消を求める訴えは,不適法であって,却下すべきものとされた。
参照条文
実用新案法12条 行政事件訴訟法3条2項
Key Word
実用新案技術評価,行政事件訴訟法における「処分」
置換プリン事件
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H13.11.29 東京高裁 平成13年(ネ)959
判決のポイント
後発医薬品メーカーの製剤行為は,特許発明に係る先発医薬品の新たな生産に該当しないため,特許権消尽論を適用して特許権侵害にはならないとした。
参照条文
特許法68条 特許法68条の2
Key Word
特許権の消尽,新たな生産
畳縫着装置事件
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H13.4.24 大阪地裁 平成11年(ワ)9310
判決のポイント
先願の抗弁は,先願特許発明が後願特許発明と同一の場合に限り認められるが,異なる場合には,認められない。
参照条文
特許法39条 特許法70条1項 特許法123条
Key Word
先願の抗弁
ティッシュペーパ用包装箱事件
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H13.11.8 東京地裁 平成12年(ワ)20946
判決のポイント
請求項における機能的表現が,明細書の記載等から明瞭であるとした。
参照条文
実用新案法26条 特許法70条 実用新案法5条 特許法36条
Key Word
機能的表現,抽象的表現,不明瞭記載,技術的範囲,逆均等,均等論
脇下汗吸収パッド事件
事件の表示
H11.6.29 東京地裁 平成8年(ワ)5784
判決のポイント
図面記載事項を補正によってクレームに追加する際の補正が図面と矛盾した場合,図面に記載された内容を意識的に権利範囲から除外したと判断された。
参照条文
特許法36条 特許法72条
Key Word
均等論,特段の事情,禁反言,要旨変更の補正,クレーム及び詳細な説明と図面との矛盾
生海苔異物分離除去装置事件
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H12.3.23 東京地裁 平成10年(ワ)11453
判決のポイント
ボールスプライン事件最高裁判決の均等論の第一要件に関し,特許発明の本質的部分の意義に言及した事件。
参照条文
特許法70条 特許法100条1項
Key Word
均等論(最高裁)の第一要件,特許発明の本質的部分
カード発行システム事件
事件の表示
H13.5.29 東京地裁 平成12年(ワ)12728
判決のポイント
特許明細書の記載から置換可能性が肯定されたが,公知技術に基づく特許発明の本質的部分の認定に基づいて均等が否定された。
参照条文
特許法70条
Key Word
均等の範囲,本質的部分,置換可能性,目的,作用効果
FM信号復調装置事件
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H12.1.27 東京高裁 平成11年(ネ)3059
判決のポイント
外国の特許権に基づく差止め請求等は,これをわが国で行使することができるとする法律又は条約は存在しないので,認められないとした。
参照条文
法例11条
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属地主義の原則
ペン型注射器事件
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H13.4.19 大阪高裁 平成11年(ネ)2198
判決のポイント
被告装置は特許方法発明と均等な方法にのみ使用するものに該当するとして,均等論と間接侵害とが併せて適用された。
参照条文
特許法101条2号
Key Word
均等の範囲,意識的除外,間接侵害
玩具銃事件
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H13.2.8 東京地裁 平成9年(ワ)5741
判決のポイント
製造及び販売を分掌する同一グループの被告らに対しての補償金請求及び法102条2項の適用が争われ,また,計算鑑定人による計算鑑定を基礎とされた。
参照条文
特許法65条1項 特許法102条2項 特許法102条3項 特許法105条の2
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補償金請求,計算鑑定,共同不法行為,限界利益
乗用自動車事件
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H13.2.20 大阪地裁 平成11年(ワ)11203
判決のポイント
原告は,車の全体構成から侵害を主張したが,要部は全体構成のみにあるものではないとし,車の前方,側方,後方の全てからの相違点を考慮して,被告意匠は意匠権を侵害しない,と判断された。
参照条文
意匠法23条 意匠法39条
Key Word
全体観察,登録意匠の要部,意匠の美感
結露水掻き取り具事件
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H12.7.27 大阪地裁 平成7年(ワ)2692
判決のポイント
原告意匠が,他人の先願にあたる実用新案権に抵触するからといって,権利行使を妨げるものではないと判示された。
参照条文
意匠法26条
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意匠の要部,クリーンハンドの原則,新たな意匠的価値
カンショウ乳酸事件
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H13.2.15 東京地裁 平成12年(ワ)15732
判決のポイント
侵害訴訟を審理する裁判所は登録商標に無効理由が存在か否かを判断することができる。無効理由を有する登録商標に基づく権利主張は権利の濫用である。
参照条文
商標法46条1項1号 商標法3条1項1号
Key Word
侵害訴訟における登録無効の主張,当然無効の抗弁,権利濫用,普通名称
GLORY双眼鏡事件
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H12.3.24 東京地裁 平成10年(ワ)28609
判決のポイント
商標権侵害の損害賠償請求において,侵害を組成した商品の輸出は「譲渡」に該当しないとして,商標法38条1項の適用を否認したが,認定した逸失利益は,実質的に,同条項を適用したものである。
参照条文
民法709条 商標法38条1項 商標法38条3項 商標法2条3項2号
Key Word
商標の使用,商品の譲渡,商品の輸出,不法行為,商品代替性,逸失利益,使用料相当額
スナックシャネル事件
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H10.9.10 最高裁 平成7年(オ)637
判決のポイント
不正競争防止法2条1項1号に規定する「混同を生じさせる行為」には,いわゆる広義の混同を生じさせる行為をも包含するとした。
参照条文
不正競争防止法2条1項1号
Key Word
他人,混同を生じさせる行為
JACCS事件
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H12.12.6 富山地裁 平成10年(ワ)323
判決のポイント
ドメイン名の使用が不正競争に当たるとしてその使用差止めが認められた事件
参照条文
不正競争防止法2条1項2号
Key Word
ドメイン名,商品等表示の使用,ドメイン名に係る不正競争
墓石販売業者顧客名簿事件
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H12.11.13 東京地裁 平成10年(ワ)18253
判決のポイント
営業秘密について,秘密管理性,有用性,非公知性のそれぞれの要件について判断した上で,顧客名簿等の営業資料を営業秘密であると認められた。
参照条文
不正競争防止法2条1項4号 不正競争防止法2条1項5号
Key Word
営業秘密,秘密管理性,有用性,非公知性,顧客名簿
ときめきメモリアル用メモリーカード事件
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H13.2.13 最高裁 平成11年(受)955
判決のポイント
シュミレーションゲームソフトの正規のプレイによっては得られないパラメータの組み合わせをセーブデータとして格納したメモリーカードの輸入販売が,同一性保持権侵害を惹起したとされた。
参照条文
著作権法2条3項 著作権法20条1項 著作権法113条1項1号 著作権法113条1項2号
Key Word
映画の著作物,ゲームソフト,ストーリー,改変,同一性保持権
中古ゲームソフト販売事件
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H14.4.25 最高裁 平成13年(受)952
判決のポイント
ゲームソフトは映画の著作物であるので頒布権が生じるが,個々の複製物についての頒布権は当該複製物の第一譲渡によって消尽するとされた。
参照条文
著作権法2条1項19号 著作権法2条3項 著作権法26条 著作権法26条の2
Key Word
映画の著作物,頒布権,譲渡,消尽,中古,ゲームソフトウェア
生ゴミ処理装置事件
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H13.6.12 最高裁 平成9年(オ)1918
判決のポイント
特許出願をした特許を受ける権利の共有者の一人から同人の承継人と称して特許権の設定の登録を受けた無権利者に対する当該特許権の持分の移転登録手続請求が認められた。
参照条文
特許法33条 特許法123条1項6号
Key Word
特許を受ける権利,持分の移転登録,冒認,無権利者,譲渡証書,無効理由
発明者名誉権侵害事件
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H14.5.23 大阪地裁 平成11年(ワ)12699
判決のポイント
真の発明者は願書の発明者の欄の記載を真の発明者に補正すべきことを請求することができるとされた。
参照条文
パリ条約4条の3 特許法26条
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発明者名誉権,発明者の補正手続請求権