外科手術光学的表示方法事件
事件の表示
H14.4.11 東京高裁 平成12年(行ケ)65
判決のポイント
人間を手術、治療又は診断する方法(医療行為)は、「産業上利用することができる発明」に該当しない。
参照条文
特許法29条1項柱書 特許法69条3項
Key Word
人間を診断する方法、医療行為、産業上利用することができ発明、特許権の効力が及ばない範囲
せん孔爆破における安全装薬量決定方法事件
事件の表示
H14.11.25 東京高裁 平成13年(行ケ)397
判決のポイント
請求項中の「AまたはB」は、発明を合理的に理解すると、英語のorの一用法の「AすなわちB」という意味で使用され、引用例のAとは異なる。
参照条文
特許法29条2項 特許法70条
Key Word
接続詞「または」の解釈、発明の合理的理解、記載不備
積層包装材料の製造方法事件
事件の表示
H14.12.25 東京高裁 平成12年(行ケ)446
判決のポイント
引用文献に記載された数値範囲のうち、必要特性が得られないことが当業者の常識であった範囲は、実質的には開示されていないと判断された。
参照条文
特許法29条2項
Key Word
数値範囲、引用文献中の開示内容の認定、当業者の技術常識
風味持続性にすぐれた焼き菓子の製造方法事件
事件の表示
H14.3.28 東京高裁 平成12年(行ケ)312
判決のポイント
構成自体が容易推考と認められる発明の場合は、目的の相違に拘らず、よほど顕著な効果が無ければ進歩性が認められることはないとされた。
参照条文
特許法29条2項
Key Word
進歩性、数値限定を伴った発明、有利な効果の参酌、顕著
液晶素子事件
事件の表示
H14.7.2 東京高裁 平成12年(行ケ)384
判決のポイント
明細書中に、具体例の記載がなく、用語の意味も不明確であり、原告主張の発明の効果の記載もないので、特許法第36条規定の「実施可能要件」不備との認定は維持された。
参照条文
旧特許法36条3項
Key Word
記載不備、実施可能要件、具体例の記載、用語の解釈、効果の記載
安全確保集積回路チップ事件
事件の表示
H15.3.6 東京高裁 平成12年(行ケ)352
判決のポイント
電気回路の回路構成がブラックボックス的にしか記載されていなくとも、明細書の記載が不明瞭ではないと判断された。
参照条文
旧特許法36条3項 旧特許法36条4項 旧特許法36条5項
Key Word
ブラックボックス的記載、実施可能要件、記載不明瞭、電気回路
組換えDNA分子事件
事件の表示
H14.4.11 東京高裁 平成9年(行ケ)249
判決のポイント
マウス由来の遺伝子配列の開示のみで、ヒトを含む哺乳類の遺伝子配列にまで請求の範囲を拡張することは明細書の記載不備にあたる。
参照条文
旧特許法36条4項 旧特許法36条3項
Key Word
明細書の開示、請求の範囲、上位概念、下位概念、実施可能要件
装飾体の製造方法事件
事件の表示
H14.3.26 東京高裁 平成13年(行ケ)172
判決のポイント
実施例中の「長手方向に連続する突条3が突設され」の記載を根拠に、「長手方向に突条3が突設され」を追加したことが新規事項の追加と判断された。
参照条文
特許法134条5項 特許法126条2項
Key Word
新規事項の追加
動力伝達用チェーン事件
事件の表示
H14.10.31 東京高裁 平成12年(行ケ)170
判決のポイント
訂正請求の許否の判断を請求項ごとにすべきものとされた。
参照条文
特許法134条2項 特許法126条4項
Key Word
訂正請求、許否の判断、請求項ごと
窒化インジウムガリウム半導体の成長方法事件
事件の表示
H14.5.14 東京高裁 平成13年(行ケ)172
判決のポイント
審判段階で提出されなかった証拠が進歩性を判断する事情の一つとされた。
参照条文
特許法178条 特許法129条2項
Key Word
審決取消訴訟における審理範囲、新たな事実の主張
そばいなり事件
事件の表示
H15.1.29 東京高裁 平成14年(行ケ)229
判決のポイント
意匠法第3条第2項の適用に「同一の形状を含む公知意匠」の存在は前提とならない。
参照条文
意匠法3条2項
Key Word
創作容易
鳳凰・宝桜事件
事件の表示
H14.3.19 東京高裁 平成13年(行ケ)363
判決のポイント
登録商標「鳳凰」と引用商標「宝桜」を、称呼「ホウオウ」を共通にするが、外観・観念の相違及び取引の実情により、非類似と判断した。
参照条文
商標法4条1項11号
Key Word
商標の類似、商品の出所の誤認混同、出所の混同、取引の具体的状況、取引の実情
タカラ審決取消請求事件
事件の表示
H14.12.25 東京高裁 平成13年(行ケ)556
判決のポイント
調味料について本件商標が古くから使用されていても周知とは認定されず「みりん」について著名な引用商標と混同を生じるおそれがある。
参照条文
商標法4条1項15号
Key Word
出所混同、タカラ、引用商標の著名、本件商標の周知・著名、みりんと調味料
資金別貸借対照表事件
事件の表示
H15.1.20 東京地裁 平成14年(ワ)5502
判決のポイント
貸借対照分析を理解し易くした資金別貸借対照表に係る考案は、実用新案法第2条第1項の「自然法則を利用した技術的思想」に該当しない。
参照条文
実用新案法2条1項 実用新案法3条1項柱書 実用新案法37条1項2号
Key Word
平面的考案、然法則を利用した技術的思想、自然法則を利用した効果、権利濫用
地山固結工法事件
事件の表示
H15.4.17 東京地裁 平成14年(ワ)14010
判決のポイント
特許権侵害訴訟において無効理由の存在に基づく権利濫用の主張が認められた。
参照条文
特許法29条2項 特許法123条1項2号
Key Word
権利濫用
コンクリート埋設物事件
事件の表示
H15.2.27 大阪高裁 平成14年(ネ)2776
判決のポイント
親、子、孫と連続してなされた分割出願の子出願に補正による分割要件違反がある場合、孫出願の出願日は親出願まで遡及しないとされた。
参照条文
特許法44条1項 特許法44条2項
Key Word
分割出願の要件、出願日の遡及、親出願、子出願、孫出願、補正
カード台紙事件
事件の表示
H14.10.9 東京地裁 平成13年(ワ)16820
判決のポイント
侵害品と特許実施品間に、相互補完関係が存在しないことが明らかな場合には、特許法第102条第1項適用の余地はない。
参照条文
特許法70条 特許法102条1号
Key Word
損害額の推定、技術的範囲
ニカルピジン持続性製剤事件
事件の表示
H15.02.18 大阪高裁 平成14年(ネ)1567
判決のポイント
含有量に限定がない場合、含有量が極微量で発明の作用効果を生じないことが明らかな場合を除き、当該製剤は技術的範囲に含まれる。
参照条文
特許法70条
Key Word
技術的範囲、数値限定
抗凝血性綿撒糸事件
事件の表示
H14.4.30 東京高裁 平成13年(ネ)2296
判決のポイント
出願手続中で特許性を基礎づける特徴として説明した事項と、均等論における発明の本質的特徴の認定との関係を明確に示し、均等論の適用を否定した。
参照条文
特許法70条
Key Word
技術的範囲、均等、本質的部分、包袋禁反言
梁交差部柱フープ筋幅止め具事件
事件の表示
H14.8.30 東京地裁 平成13年(ワ)22663
判決のポイント
特許請求の範囲にある、「V字型」などの形状表現について、訂正審判での訂正経緯が参照され、均等上の侵害が認められなかった。
参照条文
特許法70条 特許法126条
Key Word
訂正、V字型、円弧状、底部、技術的範囲、均等、本質的部分、特段の事情
熱交換器用パイプ事件
事件の表示
H13.3.27 東京高裁 平成13年(ネ)1870
判決のポイント
本件考案は出願日前の公然実施による無効理由を有し、権利行使は権利の濫用に当たるとされ、被告の先使用権が認められた。
参照条文
実用新案法26条 準特許法79条 実用新案法3条1項2号 実用新案法37条1項2号
Key Word
公然実施をされた考案、公然実施の日、無効理由、考案の実施、先使用権
被覆剤を調節塗布しかつ均すためのドクターブレード事件
事件の表示
H14.5.15 東京地裁 平成13年(ワ)1650
判決のポイント
ブレードを使用することによりその表面被覆層が磨耗してその厚さが請求の範囲内のものとなったとしても、特許権侵害を構成しない。
参照条文
特許法101条
Key Word
間接侵害
椅子式マッサージ機事件
事件の表示
H15.3.26 東京地裁 平成12年(ワ)3485
判決のポイント
複数の被告製品が、それぞれ複数の特許権を侵害する事例において、被告の事前準備の必要性及び迅速審理への協力の重要性を示す。
参照条文
特許法102条1項
Key Word
譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を特許権者が販売することができないとする事情、事前準備、迅速な紛争解決
新規芳香族カルボン酸アミド誘導体の製造方法事件
事件の表示
H14.10.31 東京高裁 平成12年(ネ)2645
判決のポイント
生産方法の推定適用回避のため、控訴審で、原審主張を撤回し、新製造方法を主張したが、時機に後れた防御方法として却下された。
参照条文
民事訴訟法157条1項 特許法103条 特許法104条
Key Word
時機に後れた防御方法、生産方法の推定、過失の推定
冠婚葬祭用木製看板事件
事件の表示
H14.12.10 東京地裁 平成12年(ワ)13924
判決のポイント
新会社に対し法人格否認の法理により同額の損害賠償が命じられ、訴訟上の信義則により新会社の攻撃防御が制限された。
参照条文
民事訴訟法2条 民事訴訟法115条
Key Word
法人格否認の論理、既判力の拡張、訴訟上の信義則
減速機付きモーター事件
事件の表示
H15.1.31 東京地裁 平成14年(ワ)5556
判決のポイント
登録意匠を組み込んだ製品であっても要部が露出しない態様で組み込まれている場合は、その登録意匠の意匠権を侵害するものではない。
参照条文
意匠法2条1項 意匠法2条3項 意匠法23条 意匠法26条
Key Word
流通過程で隠れた要部、意匠の使用、意匠の利用
荷崩れ防止ベルト事件
事件の表示
H15.4.15 大阪地裁 平成14年(ワ)457
判決のポイント
類似意匠登録が無効理由を有することが明らかである場合、その類似意匠登録は裁判所の判断を拘束しない。
参照条文
意匠法23条 意匠法24条 意匠法3条1項3号
Key Word
類似意匠、明白な無効理由
巨峰事件
事件の表示
H14.12.12 大阪地裁 平成13年(ワ)9153
判決のポイント
「巨峰」の語は、ぶどうの一品種を表す普通名称と認められ、商標法第26条第1項第2号により、商標権の効力は及ばない。
参照条文
商標法26条1項2号
Key Word
普通名称、普通に用いられる方法、巨峰
United Sports商標権侵害損害賠償請求事件
事件の表示
H14.1.29 東京地裁 平成12年(ワ)23425
判決のポイント
商標の類否は、その構成を基礎に判断し、他件の判断にはよらない。文書提出命令に誠実に対応しない場合、相手方主張を真実と認める。
参照条文
商標法37条 民事訴訟法224条3項
Key Word
商標の類否、特許庁における審査例、United Sports、UNITED、文書提出命令
衣料品等通信販売事件
事件の表示
H14.11.27 東京地裁 平成13年(ワ)27144
判決のポイント
通信販売した衣料品のいくつかが、原告製品を摸倣したものと認定された。
参照条文
不正競争防止法2条1項3号
Key Word
摸倣、同種の商品が通常有する形態
MP3事件
事件の表示
H14.7.15 東京地裁 平成13年(ワ)12318
判決のポイント
米MP3.com社とは関係のない者が「mp3.co.jp」というドメイン名を取得等することにつき、図利加害目的がないとされた。
参照条文
不正競争防止法2条1項12号
Key Word
ドメイン名に関する不正競争、図利加害目的
宇宙戦艦ヤマト事件
事件の表示
H14.3.25 東京地裁 平成11年(ワ)20820
H14.3.25 東京地裁 平成12年(ワ)14077
判決のポイント
被告の行為は原告が有する著作者人格権侵害と主張した請求は棄却され、被告は各映画の著作物に著作者人格権を有する、と判断された。
参照条文
著作権法16条
Key Word
著作物の全体的形成
ファイルローグ事件
事件の表示
H15.1.29 東京地裁 平成14年(ワ)4237 中間判決
判決のポイント
音楽著作物をMP3形式で複製した電子ファイル交換サービスのサーバにアクセスさせる行為は、原告の著作権を侵害すると判断された。
参照条文
著作権法2条1項13号 著作権法2条1項15号 著作権法30条1項 著作権法49条1項1号
Key Word
音楽著作物、電子ファイル、自動公衆送信権、送信可能化権
江差追分事件
事件の表示
H16.6.28 最高裁判所第一小法廷 平成11年(受)922
判決のポイント
言語の著作物の翻案の意義が示された。
参照条文
著作権法27条
Key Word
言語の著作物、翻案
光ピックアップユニット事件
事件の表示
H14.11.29 東京地裁 平成13年(ワ)16832
判決のポイント
わが国の職務発明に当たるような事案について、属地主義の原則から外国における特許を受ける権利の帰属や譲渡の要件等は各国の特許法を準拠法として定められる。
参照条文
特許法35条3項 法例7条1項 法例7条2項
Key Word
属地主義、外国における特許を受ける権利、職務発明、譲渡、相当の対価、準拠法
光ディスク用ポリカーボネート成形材料事件
事件の表示
H14.6.11 東京高裁 平成13年(行ケ)84
判決のポイント
製造方法によって特定される物の発明について、製造方法要件について新規性、進歩性を考慮することなく、発明の特許性が否定された。
参照条文
特許法29条2項 特許法126条3項
Key Word
製造方法によって特定される物の発明、製法限定製品クレーム、プロダクト・バイ・プロセス・クレーム
複数の処理を実行する方法事件
事件の表示
H15. 3.18 東京高裁 平成14年(行ケ)498
判決のポイント
特許出願に係る発明の要旨認定は、特段の事情がない限り、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいてなされるべきである。
参照条文
特許法29条2項 特許法70条1項
Key Word
特許出願に係る発明の要旨認定、相違点の認定の誤り、特許請求の範囲以外の記載を参酌
紙おむつ用弾性糸巻糸体事件
事件の表示
H14.12.19 東京高裁 平成12年(行ケ)389
判決のポイント
証人尋問による公然実施発明の認定に誤りはなく、この発明と比べて糸巻量が多く且つ用途がおむつに限定された点が異なる本件発明に進歩性がないとする認定にも誤りはない。
参照条文
特許法29条2項
Key Word
公然実施、その認定、証人尋問、課題の周知性、数値限定、用途限定
カレンダー帳等の製本方法事件
事件の表示
H14.5.30 東京高裁 平成13年(行ケ)185
判決のポイント
本件発明と先願明細書に記載された考案との一致点・相違点の認定・判断に誤りがあるとされた。
参照条文
特許法29条の2
Key Word
引用発明との対比、一致点・相違点の認定
連続成形トリミング方法事件
事件の表示
H14.3.28 東京高裁 平成12年(行ケ)176
判決のポイント
特許請求の範囲に記載の文言以上の説明がなくても容易に実施できる程度の技術でない限り、特許請求の範囲に記載された事項の説明を明細書に記載する必要がある。
参照条文
旧特許法36条4項 旧特許法36条5項
Key Word
記載不備、容易にその実施をすることができる程度
畳のクセ取り縫着方法事件
事件の表示
H15.3.10 東京高裁 平成13年(行ケ)140
判決のポイント
無効審判にて実施可能要件を満たすと判断された明細書の記載が、裁判所において実施不可能と判断された。
参照条文
旧特許法36条4項 旧特許法36条5項
Key Word
実施可能要件
記録再生装置の防振装置事件
事件の表示
H14.10.29 東京高裁 平成13年(行ケ)501
判決のポイント
図面を参照して訂正が容認され、特許請求の範囲と実施例との間で表現に不統一があっても記載不備とまでは言えないと判断された。
参照条文
特許法126条1項 特許法126条2項 旧特許法36条4項 旧特許法36条5項
Key Word
訂正の意義、明細書の記載不備、表現の不統一又は不正確
建築物の骨組構築方法事件
事件の表示
H14.11.14 東京高裁 平成11年(行ケ)376
判決のポイント
請求不成立の審決後に訂正審決が確定しても、原則として発明の要旨認定の誤りをもって審決が違法とされるものではないとされた。
参照条文
特許法123条 特許法126条 特許法178条 特許法39条
Key Word
特許無効の審判、訂正審決の確定、発明の要旨認定
記録媒体事件
事件の表示
H14.7.9 東京高裁 平成13年(行ケ)79
判決のポイント
東京高裁から差し戻された審判では、判決で認定された範囲を再度審理することは許されない。
参照条文
特許法154条1項 特許法157条2項
Key Word
審理の併合、差し戻し、分割出願、出願
濾過機液槽内装着用濾過板事件
事件の表示
H14.11.28 東京高裁 平成14年(行ケ)389
判決のポイント
物品とかかわりのない形状等を「3条2項公知意匠」とすることができ、広く知られている形状等は証拠を示す必要がないとした。
参照条文
意匠法3条2項 意匠法19条 準特許法50条
Key Word
判断の基礎資料、物品を離れた形状等、技術分野、新たな拒絶理由、補助的な資料
ハイパーホテル事件
事件の表示
H15.5.8 東京高裁 平成14年(行ケ)616
判決のポイント
提携先の商標の無断出願でも、それが著しく社会的妥当性を欠くと言えない場合は、その商標は商標法第4条第1項第7号に該当しない。
参照条文
商標法4条1項7号
Key Word
公益的不登録事由、公序良俗、商標の剽窃出願、悪意の商標出願
SUPER GRIP事件
事件の表示
H15.1.21 東京高裁 平成14年(行ケ)266
判決のポイント
願書の指定商品の範囲は表示された意思の客観的な解釈によって定まり、その後対比される商標の指定商品と類似するか否かを判断する。
参照条文
商標法4条1項11号 商標法5条1項3号 商標法6条1項 商標法6条2項
Key Word
指定商品の範囲の認定、「…およびその類似商品を除く。」なる記載の具体的な商品の範囲
モズライト・ギター事件
事件の表示
H15.3.3 東京高裁 平成14年(行ケ)497
判決のポイント
商標法第51条第1項に基づき商標登録を取り消した審決を、事実誤認の有無、誤認混同の発生及び商標権者の故意等を認定し、維持した。
参照条文
商標法51条1項
Key Word
商標権者の不正使用、登録商標に類似する商標、商品の品質の誤認、出所の混同、故意、周知性
塩味茹枝豆の冷凍品事件
事件の表示
H14.11.7 東京地裁 平成12年(ワ)6241
判決のポイント
台湾よりの輸入品(塩味茹枝豆の冷凍品)の構成及び周知技術に基づき、進歩性の欠如は明らかであるとして権利濫用に当たるものとして排斥された
参照条文
特許法29条1項 特許法29条2項 特許法123条1項
Key Word
公知、公用、進歩性、権利の濫用
PCストランドの防錆被覆方法事件
事件の表示
H14.5.13 東京地裁 平成13年(ワ)1105
判決のポイント
本件発明は、進歩性を有せず、無効理由を有することは明らかであるから権利濫用であると判断し、さらに技術的範囲に属するかについて言及した。
参照条文
特許法29条2項 特許法70条 特許法123条1項2号
Key Word
進歩性、権利濫用
止め具及び紐止め装置事件
事件の表示
H14.9.26 東京高裁 平成14年(ネ)1089
判決のポイント
プロダクト・バイ・プロセス・クレーム解釈における侵害判断に際しては、プロセス構成要件の充足の有無を除外して考えるべきだとされた。
参照条文
特許法70条
Key Word
プロダクト・バイ・プロセス・クレーム、特許請求の範囲の解釈
電子翻訳装置事件
事件の表示
H15.2.13 東京地裁 平成14年(ワ)3021
判決のポイント
被告製品は「文章の終端マーク」を検出して「文翻訳手段」に動作が自動的に指示されているわけではないとして侵害が否定された。
参照条文
特許法70条1項 特許法70条2項
Key Word
特許発明の技術的範囲、発明の要旨
車輌在庫情報システム事件
事件の表示
H15.2.26 東京高裁 平成13年(ネ)3453
判決のポイント
「電源をオフする」の意味は、電源を切断することのみを指し、スリープ状態やサスペンド状態は含まれないとして侵害が否定された。
参照条文
特許法70条1項 特許法70条2項
Key Word
特許発明の技術的範囲、特許請求の範囲に記載した文言の技術的意味
拡大観察用の照明機構事件
事件の表示
H14.9.30 東京高裁 平成13年(ネ)6457
判決のポイント
被控訴人製品が本件発明の本質的部分の構成を具備しない場合には、均等論について判断するまでもないと判断した。
参照条文
特許法70条
Key Word
均等論、発明の本質的部分
ポットカッター事件
事件の表示
H14.12.26 大阪地裁 平成13年(ワ)9922
判決のポイント
特許権者から貸与されたポットカッター(特許品)を契約に反して特許権者以外の育苗ポットに使用した行為が特許権の侵害に当たらないとされた。
参照条文
特許法78条 特許法100条 民法709条
Key Word
特許品の貸与契約と通常実施権の許諾契約、通常実施権の設定範囲、債務不履行
6本ロールカレンダーの構造及び使用方法事件
事件の表示
H14.6.24 東京地裁 平成12年(ワ)18173
判決のポイント
概略図にすぎない設計図面を作成しただけでは、特許法第79条に規定する発明の実施の事業の準備をしていたとは認められない。
参照条文
特許法79条
Key Word
先使用権、事業の準備
溶接用エンドタブ事件
事件の表示
H15.2.27 東京地裁 平成11年(ワ)19329
判決のポイント
特許法第102条第1項の「実施の能力」とは、特許権の存続期間内に一定量の製品の製造、販売を行う潜在的能力をいうと解するのが相当である。
参照条文
特許法102条1項
Key Word
特許法第102条第1項の意義、実施の能力、侵害の行為がなければ販売することができた物、単位数量当りの利益の額
氷成形装置事件
事件の表示
H14.12.17 東京地裁 平成13年(ワ)22452
判決のポイント
仮処分の決定を取得して権利行使をした後、公開公報記載の技術に基づいて特許権が無効とされた場合、権利行使に過失があるとされた。
参照条文
特許法125条 民法709条
Key Word
仮処分決定に基づく権利行使と不法行為、無効な特許権に基づく権利行使と債権者の過失、無効理由、公開公報
PCストランドの端部定着構造事件
事件の表示
H14.9.30 東京高裁 平成14年(ネ)1053
判決のポイント
「間接侵害の主張を留保する」と主張しても具体的主張がなければ、判断ができず、時機に遅れた攻撃方法で、訴えの変更も認められない。
参照条文
民事訴訟法157条1項 民事訴訟法143条1項
Key Word
時機に遅れた攻撃方法、訴えの変更
FM信号復調装置事件
事件の表示
H14.9.26 最高裁第一小法廷 平成12年(受)580
判決のポイント
差止め等請求の準拠法は登録国法、損害賠償請求の準拠法は侵害結果発生地法とし、米国特許法第271条(b)の寄与侵害は法例第11条第2項により否定した。
参照条文
法令33条 法令11条1項 法令11条2項 民法709条 米国特許法第271条(b)
Key Word
渉外的要素、準拠法、原因事実発生地、結果発生地、累積的連結、先決問題、米国特許権寄与侵害
せいろう用中敷事件
事件の表示
H14.12.12 東京高裁 平成14年(ネ)4764
判決のポイント
新規性要件を欠く意匠権は権利濫用により権利行使を行うことができない。
参照条文
意匠法3条2項 意匠法3条1項3号 意匠法23条 不正競争防止法2条1項14号
Key Word
意匠の類似、権利濫用、虚偽の事実を告知・流布
フレッドペリー事件
事件の表示
H15.2.27 最高裁 平成14年(受)1100
判決のポイント
商標の使用許諾を受けた者が、その商標権者の同意なく、契約地域外の国の工場に下請製造させた商品は、真正商品とは認められない。
参照条文
商標法2条1項3号 商標法25条 商標法36条 商標法39条 準特許法103条 関税法67条 関税法施令59条1項2号
Key Word
真正商品、並行輸入、属地主義、出所混同、品質保証、品質管理、許諾条項
ぼくは航空管制官事件
事件の表示
H14.5.31 東京地裁 平成13年(ワ)7078
判決のポイント
ライセンサーの商標を無断で出願し登録された商標に基づき、他のライセンシーの使用を妨げる目的でする権利行使は、権利濫用に当たる。
参照条文
民法1条3項 商標法26条1項2号 商標法25条
Key Word
権利濫用、商標としての使用、商標権の効力の及ばない範囲
メープルシロップ事件
事件の表示
H14.9.26 東京高裁 平成13年(ネ)6316
判決のポイント
損害額の算定で、商標法第38条第1項及び第2項を適用せず、取引の実情等一切の事情を勘案して、一審認定の使用料相当額を変更した。
参照条文
商標法38条1項 商標法38条2項 商標法38条3項
Key Word
損害額の算定、市場に於ける代替関係、使用料相当額
ドラックストア「原価セール」事件
事件の表示
H14. 2. 5 東京地裁 平成13年(ワ)10472
判決のポイント
仕入側は、仕入価格の原始的所有者であり、仕入価格を公表しても、不正競争防止法による営業秘密の漏洩にあたらないとされた。
参照条文
不正競争防止法2条1項7号 不正競争防止法2条4項
Key Word
仕入価格、卸売価格、営業秘密
営業誹謗行為についての損害賠償請求事件
事件の表示
H14.8.29 東京高裁 平成13年(ネ)5555
判決のポイント
相手方製品が特許権を侵害する旨を相手の取引先に告知した後にその特許が無効等となっても、営業誹謗行為に該当しないとされた。
参照条文
不正競争防止法2条1項14号 不正競争防止法4条
Key Word
営業誹謗行為、権利無効、権利不存在確認の訴え、警告
サイボウズ事件
事件の表示
H14.9.5 東京地裁 平成13年(ワ)16440
判決のポイント
被告が、被告のビジネスソフトウエアを製作・販売する行為は、著作権侵害及び不正競争行為にあたらない、と判断した。
参照条文
著作権法2条1項10号の2 不正競争防止法2条1項1号 民法709条
Key Word
表現上の創作的特徴、表示画面の選択と配列
照明カタログ事件
事件の表示
H14.2.18 東京高裁 平成11年(ネ)5641
判決のポイント
判決のポイント 書の著作物が飾られたモデルルームの写真が照明カタログに掲載された場合には、書の著作物の複製には該当しないとされた。
参照条文
著作権法21条 著作権法27条 著作権法32条1項 著作権法19条 著作権法20条
Key Word
書の著作物、創作的な表現部分、カタログ、複製、引用
細粒核事件
事件の表示
H14.8.27 東京地裁 平成13年(ワ)7196
判決のポイント
課題解決のために重要な点は他にあり着想の具体化の程度も小さいことから、新規な着想を提供した者が共同発明者と認められなかった。
参照条文
特許法35条3項 特許法38条
Key Word
職務発明、相当の対価、発明者の認定、共同発明者、特許法第35条第3項
ブラジャー事件
事件の表示
H14.7.17 東京地裁 平成13年(ワ)13678
判決のポイント
真の発明者が自ら特許出願をしていないときは、冒認者が特許権設定登録を受けても、特許権移転登録請求権は、認められない。
参照条文
旧特許法49条6号 特許法66条1項 特許法123条1項6号
Key Word
冒認出願、特許権移転登録請求